不妊治療に効果が期待できる鍼灸
・不妊治療とはなにか
不妊治療というのは、赤ちゃんの誕生を望む夫婦が、授かることができにくい状態を改善し、無事に妊娠を果たして子を産むために行われる治療です。不妊症にはさまざまな理由や状況がありますが、その理由や状況によっていろいろな対処の方法が採られています。
代表的であり、よく知られている方法は、卵子や精子を体外に取り出して受精するという方法です。これは受精の確率を高め、受精する力が比較的弱いものに対しても効果があると言われています。体外で受精した卵子は、その後母の胎内に戻されて、通常の妊娠と同じように妊娠期間を過ごすことになります。
ただし、これは卵子の状態、または精子の状態が比較的良い状態で行われてこそ効果があるものであり、卵子、精子の健康状態、また、母体、精子を作る男性の機能に問題がある場合には、効果が得られないこともあります。
・鍼灸による不妊治療
卵子、精子を作るのは、人間の体です。人の体というのは、健康であれば体のあらゆる動きが正しく機能し、逆に体に不調があれば、その動きには何かしらの不具合が起こることとなります。不妊の原因が、卵子や精子の異常による場合には、それを生み出す男女の体のなかに問題があることも少なくありません。鍼灸の施術や技術は、そのような体の状態を整えることによって卵子や精子を正常に戻し、不妊を改善することを目指します。
鍼灸による不妊治療といっても、他の症状の治療に用いる施術と根幹の部分は変わりません。鍼灸の考えというのは、体に流れる気血の状態を良くして、体が本来もっている力を最大限に引き出し、体のバランスを整えるというものです。そのような考えから不妊に対しても、女性の母体と、男性の精子を作る機能を正常なものとすることによってアプローチしています。不妊状態は、体の機能の不順によることとの考えから施術を行うのです。
・安心して妊娠するために
妊娠した後はもちろんですが、妊娠する前、それこそ受精が確認される前から、飲酒や喫煙はもとより風邪薬や頭痛薬など、薬という薬を避けるほど、未来の母は慎重になる人もいるといいます。母体や子宮に少しでも良い影響を与えられるように、そして悪いものを排除するために、過敏に慎重にならざるを得ない心境は計り知れないものです。無事に妊娠を迎えてからも、飲んではいけない薬などを医師から注意されることもあり、妊娠期間中は内服薬に関して担当医の指示と管理下に置かれます。
こういった妊娠期間はもちろん、妊娠するまでの期間においても、鍼灸の施術というのは、薬品に頼らず自然の治癒力を高めるものであるため、安心して利用できます。鍼灸の治療によって体を整えておけば、思わぬ病気にかかってしまうことも減りますし、なによりそういった病気の存在に煩わされることも減るはずです。体の状態を整えることによって、元気な赤ちゃんを産める確率も高くなることでしょう。